広域ネットワークは生活圏の地域ネットワークを超えて横につながるネットワークで、NPOや協同組合や労働金庫など非営利組織のつながりを重視しています。広域ネットワークは全国ネットワーク形成をめざし新しい社会の建設を目標にします。地域、広域、全国、世界のつながりについてはトップページをご覧下さい。


 

共生型経済推進フォーラムは社会的連帯経済を日本に広めることをめざす組織で私 津田が代表を務めていましたが、多忙のため本年2018年より理事になりました。この市民団体は2006年6月に設立されそのキックオフシンポジウムは『非営利・協同セクターが地域を変える』という報告書として出版されました。活動としては、障害者問題、社会的企業、社会的経済などの問題を取り上げており、2009年には『誰も切らない、分けない経済』同時代社を、さらに2010年には障害者全国組織を中心にして『緊急政策提言:社会的事業所法制化に向けて』を出版しました。

運動の方法は、社会的連帯経済を構成する非営利組織を横につなぎ、ネットワークを形成してさまざまな講演会、シンポジウム、法制化運動等を展開する方法をとっています。欧州からはT.ジャンテ、C.ボルザガなど、オーストラリアからはデジャーデン・由香里など研究者や運動家を招いてシンポジウムなどを開いています。2010年7月に特定非営利活動法人(NPO法人)の法人格を取得しました。

 共生型経済推進フォーラム・キックオフシンポジウム『非営利・協同セクターが地域を変える』2006

 共生型経済推進フォーラム『誰も切らない、分けない経済』同時代社

 共生型経済推進フォーラム『緊急政策提言:社会的事業所法制化に向けて』2010年



上のNPO法人はソウル宣言の会のメンバーでもあります。ソウル宣言の会とは、韓国ソウルに本部を置くGSEF(グローバル社会的経済フォーラム)と連帯する日本の組織のことで東京に本部があります。GSEFは社会的経済を経済体制の基礎に置くことを目標においています。 GSEFについては国際連帯組織のページをご覧下さい。

ソウル宣言の会: http://www.seoulsengen.jp/

 
ソウル宣言の会は東京を中心として、関西、東北(仙台)とつながっておりソウルのGSEFと国際連帯の組織を形成しています。2014年GSEF国際会議では日本から100人が参加しました。また2016年にはモントリオールで開催されたGSEF国際会議ではソウル宣言の会から35人が参加し3人が報告しました。


ソウル宣言の会関西とは、東京のソウル宣言の会とともに、ソウルのGSEFと連帯し社会的連帯経済の拡大を目標にする広域ネットワークの組織です。2015年2月には2014年秋のGSEF国際会議の報告集会が大阪で開催されました。更に、2016年のモントリオール国際会議終了後に関西各地で報告集会を開催しました。また2017年3月には大阪でのシンポジウム「社会的連帯経済をめざして」の共催団体として広域ネットワーク拡大の第一歩を踏み出しました。今後さらにネットワークを広げ社会的連帯経済の支持者を拡大をめざします。大阪高齢者生協は2016年6月の総代会でこの広域ネットワークに参加することを表明しました。

2014年のソウル国際会議終了後、大阪でその報告集会が開かれました。
ソウル宣言の会関西報告集会:2015年2月28日13時30~16時
場所:アソシエ会館(大阪市東淀川区淡路3丁目6-31)

2016年のモントリオール国際会議終了後、関西では3回の報告集会が開かれました。
1)NPO法人共生型経済推進フォーラム主催報告集会(2016年10月22日)
2)京都大学アジェンダ主催・プロジェクト主催報告集会(2016年11月5日)
3)ソウル宣言の会・大阪兵庫生コン経営者会共催報告集会(2016年11月9日)

2017年春には広域ネットワークの拡大をめざすシンポジウムが大阪で開催されました。
「社会的連帯経済をめざして-3.25シンポジウム-」:2017年3月25日13時~16時
主催:大阪労働学校社会的連帯経済研究会
共催:ソウル宣言の会・関西
場所:大阪労働学校・アソシエ(学働館・関生)

 

大阪労働学校アソシエは、労働の尊厳を回復させることを目標として設立された社団法人の学校であり、2016年4月に開校しました。この学校も広域ネットワーク組織の一員です。この学校は、全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部(関生=かんなま)が結成50周年を記念して建設した「労働館・関生」に入居しています。アソシエは労働組合のリーダーを育てるだけでなく、新たな社会を建設するリーダーを育てることをめざしています。大阪労働学校の名前は、協同組合の父賀川豊彦が戦前に設立した大阪労働学校の名にちなんでつけられています。私も以下の講師陣と理事に名前を連ねています。
 
講師陣は次の通りです。学長は齋藤日出治(元大阪産業大学副学長)、田淵太一(同志社大学商学部教授)、鈴田 渉(大学非常勤講師)、大賀正行(部落解放・人権研究所理事)、友永建三(部落解放・人権研究所名誉理事)、田畑 稔(『唯物論』編集長)、武 建一(連帯労組関生支部委員長)、加藤哲朗(早稲田大学客員教授)、服部良一(元衆議院議員)、上原公子(元国立市長)、澤野義一(大阪経済法科大学法学部准教授)、永嶋靖久(弁護士)、金 早雪(信州大学経済学部教授)、鄭 海東(福井県立大学経済学部教授、津田直則(桃山学院大学名誉教授)

講師・津田直則の担当講義は「協同組合論」です。社会的経済と協同組合コミュニティ論を中心に講義を組み立てました。2018年度(後期)では「協同組合論」を担当し、社会的連帯経済全体を講義します。

労働学校アソシエホームページ http://www.ols-associe.or.jp/

社会的連帯経済をめざして-3.25シンポジウム-:2017年3月25日13時~16時
主催:大阪労働学校アソシエ社会的連帯経済研究会(津田直則主宰)
共催:ソウル宣言の会・関西
場所:大阪労働学校・アソシエ(学働館・関生)

広域ネットワークの拡大をめざして2017年3月25日に大阪でシンポジウムが開催されました。主催団体は大阪労働学校アソシエ・社会的連帯経済研究会(津田直則主宰)、共催団体はソウル宣言の会・関西です。パネラーは広域ネットワークを持っている新潟県、東海三県(愛知、三重、岐阜)、近畿2府4県から4人が集まりました。討論の進行係は私 津田が引き受け、日本における非営利セクターの現状、その発展の必要性、その方法などについて議論し、シンポジウムは成功裏に終わりました。


 <3.25シンポジウムから見えてきた方向は次のとおりです>
今後はこれらを運動の原則として更に市民・広域ネットワークを拡大していきたいと思います。

・社会的連帯経済(非営利セクター)を発展させることは重要である。
・市民ネットワークと広域ネットワークの協力で地域課題を解決することが必要である。
・ネットワークを通じて競争社会から協力社会への転換と市民社会の確立が望ましい。
・ネットワーク拡大にはトップダウンではなくボトムアップが望ましいと考えられる。
・ボトムアップには学会方式よりも横のつながりを重視するネットワーク方式が望ましい。
・上の2つよりより、市民・広域ネットワークの積み上げによる全国ネットワークの実現が望ましい。
・規制の強いネットワークよりも緩やかなネットワーク(包容力のある連帯)が望ましい。

 <ネットワーク形成で何が可能になるでしょうか>
・地域ネットワークでは
  協力しあって地域の課題を解決することで協力社会の基礎が可能になる。 
  市民社会の政策形成能力の向上につながる。
  生活困窮者支援、子育て支援、コミュニティの再生(祭り復活等)、環境の保全等がテーマ。
・広域ネットワークでは
  協同組合、共済、NPO、労働金庫、信用組合等の理念・価値の共有が可能になる。
  非営利組織メンバーが多様であるほど社会的連帯経済に近いネットワークが可能になる。
  各種事業提携、コンソーシアム形成、基金創設等が可能になる。
・全国ネットワークでは
    新たな政党の創設が可能になる。
  法制度構想、国際ネットワーク形成などが可能になる。
・国際ネットワークでは
    国際間での学習により社会的連帯経済の体制論的発展が促進される。

以上の3.25シンポジウムとその総括については次の論文をご覧ください。クリックすると出てきます。
津田直則「社会的連帯経済への道ー資本主義のオルタナティブ」『変革のアソシエ』No.29(2017年6月号)


2017年10月にイタリア・ボローニャ大学マルゾッキ教授を日本に招待しました。目的は、イタリア協同組合並びに非営利組織全体つまりイタリアの社会的(連帯)経済を日本に紹介していただくためです。スポンサーは上で取り上げた大阪労働学校アソシエです。招待期間は1週間で、大阪労働学校と東京の法政大学で2度の講演をいただきましたが多数の参加者により成功裏に終えることができました。講演内容は私がマルゾッキ教授に直接依頼をして、連帯思想とその実践が制度・システムとどのようにつながっているかを説明いただきました。


欧州の協同組合は日本よりもはるかに長い歴史と伝統を持っており、質的にも私が名付けた「連帯システム」という制度・システムを形成しています。そこから学ぶために欧州レベルの大物マルゾッキ教授を日本に招きました。

マルゾッキ教授講演会の内容は以下の拙稿をご覧ください。

津田直則「イタリアの連帯思想とその実践-ボローニャ大学J.マルゾッキ教授講演をめぐって」季刊『変革のアソシエ』No.32、2018年3月.

2017年9月の大阪での協同集会を出発点にして新たな構想が生まれました。この協同集会は市民対象の集会で、
テーマは生活困窮者の世界を対象とした支援組織の活動をシンポジウム形式で紹介したものです。

私はこの協同集会では実行委員長を努めましたが、2018年に入りここから府県レベルでの広域ネットワークによる新たな構想が生れました。それは日本での「新たなセーフティネットをめざす生活困窮者支援ネットワーク構想」
です。法整備が十分でないために実現に向けて多くの課題がありますが、以下はその途中経過です。

2017年9月3日おおさか協同集会(於 大阪ドームにて)

上のおおさか協同集会から以下のような、新たなセーフティネットをめざす「生活困窮者支援ネットワーク構想」
を作成しました。欧州と比較しながら日本の現状がいかに遅れているかを説明し今後の進むべき方向を示します。

今後の具体的取り組みについては以下をご覧ください。 まずどれ程欧州と日本に差が生まれているかを見ましょう。

 Ⅰ欧州と世界における流れ

 欧州では福祉国家の時代(大きな政府)
   ⇩

 世界的な金融危機
 社会的連帯経済の発展
   

 国家財政の危機
 社会的連帯経済の発展
   

 現状の欧州

地域への福祉の肩代わり
 社
 会 行政
 的 NPO
 連 協同組合      社会的協同組合A型(排除された人々のための生きがい活動)
 帯  労働者協同組合⇒ 社会的協同組合B型(排除された人々のための雇用)
 経 社会的企業
 済 財団

   
 今後の方向
  社会的連帯経済のGDP比(現状10%)
  拡大欧州全域で制度・システムが整備されていく


Ⅱ日本における流れ


 日本は小さな政府
  

 1990年代バブル崩壊
 2008年米リーマンショックと金融危機の影響
08年

  


 国家財政の危機

 

 
 現状の日本
地域への福祉の肩代わり

 行政
 NPO
 市民
(居場所づくりと仕事づくり)


  ⇩

 今後の方向=欧州に追いつくプロセス
 労働者協同組合法制化(2018年?)

 

 社会的協同組合法制化(20?年)

 実現に向けての課題
 非営利組織のネットワーク化を進めていく
 国内で社会的連帯経済の整備を進めていく
 地域社会では課題解決へ仕組み形成していく

結論:課題克服への条件 =非営利組織が連帯すること
日本には存在していない社会的連帯経済を早期に実現するには、非営利組織が横につながり連帯することです。
課題克服への道の第一歩は連帯です。目覚めよ非営利組織!

今後の具体的取り組みは以下のような方向を考えています